札幌アンダーソング 小路幸也著作
ちょっと異色の刑事モノ「札幌アンダーソング」小路幸也先生著作を読了しました。
「森山クラブ」と言うある意味、この本の中では「変態クラブ」とありましたけど、裏を返せばこれは、これは・・・秘密倶楽部という位置づけなんでしょうね。
志村家と言う、北海道開拓時代からの裏世界を知りながらその事をひっそりと受け継いでいる家系。北海道の裏ボス的な家系それが志村家です。
その志村家の長男「志村 春(しむらしゅん)」この物語りの主人公ですね。彼の持つ特殊能力それがこの物語のポイントになります。
そして志村春と同じく、別な意味での能力者とも言うべきでしょうか。「森山クラブ」主催の森山と言う人物、この二人の頭脳戦が面白いです。
悲劇役としてもう一人の重要人物。刑事の「中野久(なかのひさし)」愛称はキュウ。
話は、キュウのドッペルゲンガー現象の話題から進展します。
ドッペルゲンガーとは……Wikipedia:ウィキペディアより引用
ドッペルゲンガーの特徴として、
等があげられる。
同じ人物が同時に複数の場所に姿を現す現象、という意味の用語ではバイロケーションと重なるところがあるが、バイロケーションのほうは自分の意思でそれを行う能力、というニュアンスが強い[2]。つまりドッペルゲンガーのほうは本人の意思とは無関係におきている、というニュアンスを含んでいる。
中野刑事によく似た人、いいえ本人とうり二つの人が北海道札幌を舞台に出現します。
さて、彼は本当にそのよく似た人物との接点があるのでしょうか。
志村家の特殊能力を持つ春。彼は北海道大学に在学する学生であり、その容姿は二十歳の男子とは思えないほどの美形。いいえ、大学ミスコンに出場すれば間違いなく女王として選ばれるほどの美しさを持つ青年なんです。
憧れますね。
北海道札幌、そして北海道大学を舞台としたSF小説ではありません。推理サスペンス小説です。
「犯罪は起きても、警察は介入が出来ない……でも、そこにはれっきとした事件が起きていて、被害者も存在する。つまり、加害者が必ずいると言う事です」
さてもし、あなたが中野刑事であるならば、あなたはどうしますか?
気になる方は是非お読みください。すべての謎が解けると思います。
特別難しい表現などはありませんでした。春君のキャラクターがとても癒しになっているんだと思います。
脇役としての登場人物でちょっと気になるのが、中野刑事の先輩刑事「根来康平(ねごろこうへい)」外見と内面は一致しないんですね。でもそれが女後心をそそらせるのかもしれません……私事ですが……。