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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

「アニメ映画 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

 

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 映像「東宝」アニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

 

もう20年以上前にフジテレビ系列「ifもしも」というテレビドラマの一作として放映された作品。

原作は「岩井俊二」氏

正直、このドラマは記憶にないんです。でも「ifもしも」という番組はおぼろげながら記憶にあります。

その2年後再編成にて映画化されています。

今回は実写化での映画とアニメ化された「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」それと脚本「大根仁」氏が執筆した小説の私的感想と設定の変更部分を記載致します。

 

 

 ◆◆映画「打ち上げ花火、下から見るか?上から見るか?」

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]

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舞台は千葉県のとある海辺の町。

小学校6年生の典道(のりみち)とクラスメイトの祐介(ゆうすけ)が50mの競泳で勝った方が「なずな」から花火大会に誘われると言う設定。

映画でのヒロイン「なずな」役は「奥菜恵

典道と祐介の仲間その他3人を含み5人。私から見たこの5人の印象は「やんちゃ盛りの5人組」というイメージ。何となく懐かしい感じがする子供達です。

その当時としてはこれが当たり前なのかもしれませんけど、今の子たちとは何かが違う。夢があり、どうでもいい事になぜか夢中になるひたむきな姿。

そんな姿がよく表現されています。もちろん今の子達が冷めているとは言いません。でも何か熱く感じる少年時代というのを感じさせてくれます。

映画で出てくる漫画は「スラムダンク」であって、ゲームはファミコン「マリオ」であったり、懐かしを感じさせます。

二人はこの競泳で賭けをする。
典道は「スラムダンクの最新刊」そして密かに「なずな」に好意を持っている祐介は彼女に告白すると言う。
50mの競泳で勝ったのは祐介、典道は25mのターンの時、足をプールの縁にぶつけもがいている内に祐介はゴールする。

勝った祐介に「なずな」は「今日花火に行こう」と誘います。祐介が告白?する前に。

今日の5時に祐介の家の病院に(祐介父親は個人安曇医院の開業医)行くと言う。
突如の事でぼうーとしながら水中に沈み込む祐介。その間典道はゴールを目指し泳いでいた。
当然二人の会話は典道の耳には入っていない。

典道と祐介が教室に戻るといつもの3人が何か話をしていた。

「花火は横から見ると丸いか平べったいか?」

まぁどうでもいいと言えばどうでもいい事なんだと思いますけど、その事に真剣に議論(議論という言葉は堅苦しいですね)し合います。

これがこの題名の発端となる訳です。


そして5人はこの海岸にある灯台を目指す事になります。
花火大会の打ち上げの場所からその灯台はちょうど真横の一ある。その灯台から見る花火の形はどう見えるか?それを確かめようとします。集合時間は5時。
そして5時には祐介の家に「なずな」が祐介を迎えに来ます。

でも祐介は「なずな」との約束をすっぽかします。
足を怪我した典道に自分の家の病院で診てもらう様に促し、待っているはずの「なずな」に行けない事を伝えるように言います。

告白したいと思っていた子に誘われているのに、それをどうして断るんでしょうか?
ビビったか祐介!といった感じを覚えます。女の子と一緒に花火にいくことが照れ臭かったんでしょうかねぇ。

でもここも、このストリーのポイントの一つだと思います。
何故なら、典道も実は「なずな」の事が好きだったんです。その「なずな」が祐介と花火に行く事がどこかで引っかかっていた典道。
そして「なずな」の本当の気持ちと彼女がこれからする行動に典道が大きく関わってくるからです。

安曇医院の待合室で祐介を待つなずなに典道は祐介が来ない事を告げる。
その後、「なずな」から本当は競泳で勝つのは祐介ではなく典道だと思っていたことを告げる。

どちらでもよかった。勝った方を誘おうと「なずな」自身も賭けをしていた。

ただその賭けは、単に花火を一緒に見に行く事ではなかった。
「なずな」は家出を決行したのだった。
「なずな」の両親が離婚することになり、「なずな」は夏休みのうちに転校することになったのだから。

そしてここからストリーが大きく展開していきます。

家出をした「なずな」はすぐに母親に捕まります。
典道に大きな自分の荷物を渡し、母親から逃げるがあっさりと母親に連れ戻される。
その時「なずな」の荷物を持つ典道を母親はきつくにらみつけ荷物を奪い取る。
泣き叫びながら自分の名を呼ぶ「なずな」を目にしながら何も出来ずにただ立ち尽くす典道。
何も出来なかった自分に途轍もない苛立ちと怒りを感じ、ちょうど駆け寄ったいつものメンバーの中にいた祐介を殴り飛ばす。

もし、あの時……あの時、俺が勝っていたら……

ストリーは、典道と祐介が競泳する場面へと戻ります。

「打ち上げ花火、下からみるか? 横からみるか?」Soundtrack

「打ち上げ花火、下からみるか? 横からみるか?」Soundtrack

 

 

◆◆アニメ版小説ストリー設定

 

 

既に発売されている「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の小説。アニメ版のストリーをもとに執筆されています。
小説アニメ版の脚本を担当した大根仁氏が執筆されています。

ここからは多少アニメ版のネタバレも含みますのでご了承ください。

アニメ版ではストリー構成が映画より変更されている部分が沢山あります。
映画では典道が競泳に勝ったストリー展開のみが構成されていますが、アニメ版では一日に何度も典道が願う世界が描かれます。
そして、典道たちの年齢も小学6年生から中学生という設定に変更されています。
少し大人になった彼ら達。でもその中身はまだ子供。
このころの男子と女子の成長、心と体の成長の違いが映画でもアニメ版でも上手く表現されています。映画ではこの年齢にしては少し大人びているのかなって思うところもありますが、中学生という設定にすることで微妙な心と体の成長と変化がマッチしている様に感じます。


アニメ版でのアイテム。あの綺麗な玉……「もしも玉」
典道が強く願う世界。
何も出来ないでいた自分から自分の想いを願い叶う世界……それは典道自身の本当の気持の変化を表しているんだと思います。
自分が想う「なずな」というクラスメイトから一人の女性として見る自分の気持ちの変化を……

二人は典道が願う世界へいざなう。

でもそれは「なずな」の父親から送られた。もう二度と会う事の出来ない娘への思いだったのかもしれない。
映画ではなずなの両親は離婚すると言う設定でしたが、アニメ版ではなずなの父親は海で亡くなっていて、母親が再婚するため「なずな」は転校しなければいけなくなったと言う設定になっています。
この部分も大きくストリーとしてアニメ版では関わっている部分だと思います。
「なずな」の生い立ちです。
「なずな」の母親の性格設定も「男好き」というイメージ。その娘である私「なずな」もお母さんの血が流れているのだと、だから「かけおち」という言葉が生きてきます。

「もしも玉」典道が願う世界へといざなう不思議な玉。
この球は今回ある意味で特別な何かをうったえていると思います。

「なずな」のお父さんが打ち上げられた浜辺。そこに落ちていたこの綺麗な玉を「なずな」は拾います。
どうして「なずな」はあの自分の父親が打ち上げられた浜辺にいたのでしょう。

「なんででしょう」……


それは、小説をお読みになるか、アニメ版をご覧なればきっとわかります。

映画で「なずな」を演じた「奥菜恵」のイメージをアニメ版では本当によく表現していると思います。
当時このドラマ、映画で「なずな」を演じた「奥菜恵」はこのストリーの雰囲気をより高めたと言っても過言ではないと思います。
少し大人びたちょっとミステリアスな感じがする少女。
まさにその通りだと思いました。
その雰囲気は完全に受け継がれていますね。
特にアニメでの「なずな」の目には何か惹かれるものを感じてしまうのは私だけでしょうか?

あの自転車で二人乗りをするシーンの時の流れる「なずな」の瞳。事あるごとにその表情豊かに変わる「なずなの瞳」少女から女性という大人になりつつある事を訴えているかのように感じます。


◆◆アニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

uchiagehanabi.jp

「アニメ映画 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」オフィシャルサイト

 

きっと映画をご存知の方がこの「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のアニメ版をご覧になった時、映画とは違う世界観を感じるでしょう。

千葉県にあるとある海沿いの町。アニメではゆっくりとプロペラが時計回りに回る風力発電の風車が映し出されます。以前は海水浴場としてにぎわっていた茂下海岸。でも最近はすっかり寂れてしまった。
この茂下町が終着駅の茂下電鉄、一年前に無人駅になった。廃線の話さえも現実味をおびて来ていた。
そんな町を舞台に繰り広げられる「もしもの一日」

どことなく懐かしさを感じる映像は映画の情景の雰囲気を生かしていると思います。
ストリーとしては原作からかなりのリメイク感がありますが、映像自体原作者である「岩井俊二」の世界をうまく表現できています。

アニメ版の後半は映画版ではない展開になっています。そうつまり新しく付け加えられているんです。
それは「典道」と「なずな」が体験した長い一日の終着駅。

最後にきずく自分たちの本当の姿。それはまだ子供だと言う事。

どんなに違う世界に行ってもそれを変える事は出来ない……今の自分達では。
でも、一つだけはっきりと分かった事がある。それは……

「俺はなずなが好きだって言う事」


青春……の一歩手前のまだ若葉の様な初々しさを感じさせるラブストリー。
同じ年代の方はもちろん。
もしかしたら、その親御さんたちも「ふと、思い出すかもしれないあの頃を」


まだ恋というものを知ったばかりの頃を……思い出すかもしれません。

2017年8月18日Fri 上映

*尚この記事は2017年8月15日に記載しています。

「もしも、あの時」

「もしも、もう一度」

「もしも、もう一度 あの日をやり直せたら」

「もしも、お前がいなくなっても今日だけは……」

  

 ◆◆MUSIC


DAOKO『Forever Friends』MUSIC VIDEO


DAOKO × 米津玄師『打上花火』MUSIC VIDEO

打上花火

打上花火

 

 

◆◆微妙に違う予告動画


「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」予告

 


アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』予告編

 


「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」予告3